産業遺産学会2025年度(第49回)総会を開催しました。
産業遺産学会2025年度(第49回)総会
写真:会場のKIUホール
5月31日(土)、九州国際大学KIUホールで産業遺産学会2025年度(第49回)総会を開催しました。松尾和彦氏に議長をお務めいただき、各議案の説明、質疑を経て、第1号から第4号議案すべてが承認されました。
第1号議案 | 第2号議案 | 第3号議案 | 第4号議案 | |||||||||
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賛成 | 無記 | 反対 | 賛成 | 無記 | 反対 | 賛成 | 無記 | 反対 | 賛成 | 無記 | 反対 | |
葉書 | 50 | 0 | 6 | 52 | 0 | 4 | 51 | 1 | 4 | 52 | 1 | 3 |
会場 | 6 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 |
計 | 56 | 0 | 6 | 58 | 0 | 4 | 57 | 1 | 4 | 58 | 1 | 3 |
第3号議案に関連し、つぎの2件を発表しました。
2025年度全国大会について
- 全国大会:10月25日(土)足利大学(栃木県足利市)
- 産業遺産現地調査会:10月26日(日)株式会社トチセン煉瓦造工場群ほか
学会創立50周年事業について
産業遺産学会は2027年2月12日、産業考古学会として創立して50年を迎えます。その記念行事を清水憲一会長のもと実行委員会を組織し、ひろく会員のみなさまにもご協力いただきながら取り組みます。まず2件を発表しました。
- 50周年誌の編集
- 全国(都道府県別)産業遺産リスト(簡易版)の作成
写真:挨拶される清水会長
2025年度推薦産業遺産認定式を行いました。
第133号:厚別山水車器械所遺構(北海道札幌市)
明治日本北海道開拓を代表する貴重な米国技術の現地遺構であり、よく遺構が保存され、公園での利活用の運動も盛んであること
第134号:日芳橋(岡山県井原市)
現存道路用ボーストリングトラス橋では7番目に古く、原位置で現役供用されているものとしては3番目に古いこと
シンポジウム「埋蔵文化財としての産業遺産-初代門司駅遺跡をめぐって」を開催
シンポジウム「埋蔵文化財としての産業遺産-初代門司駅遺跡をめぐって」を開催し、77名の参加をいただきました。シンポジウムでは、行政の開発主義によって、文化財審議会を軽視し、価値評価を経ないで、「近代の遺跡」が簡単に破壊されるような事態が改善されなければなりません。そのために、今回「初代門司駅遺跡」の保存要望を提出した他の学術団体や市民団体、有志のみなさまと共同で具体的な改善策(文化財保護法の改正など)について意見交換し、関係機関に働きかけていくことが確認されました。なお、当日のプログラムはつぎのとおりです。
趣旨説明
- 時里奉明
/埋蔵文化財としての産業遺産-初代門司駅遺跡をめぐって
報告・発表
- 安部和城
/発掘担当者の立場から「遺跡の概要」 - 清水憲一
/産業遺産学会の立場から「歴史的価値」 - 溝口孝司
/日本イコモスの立場から「国際的な評価」 - 森ゆみ子
/市会議員の立場から「行政の対応について」 - 吉田清春
/門司区住民の立場から「住民団体の活動」
写真:安部和城先生による報告
パネルディスカッション
コーディネーター
- 時里奉明
/本会理事、九州産業遺産研究会会長、筑紫女学園大学教授
パネリスト
- 安部和城
/熊本県阿蘇草原再生・世界遺産推進課学芸員 - 清水憲一
/明治日本の産業革命遺産」推薦書作成委員、文化庁世界遺産特別委員、本会会長、九州国際大学名誉教授 - 溝口孝司
/世界考古学会議会長、日本イコモス国内委員会副委員長、九州考古学会会長、九州大学大学院教授 - 森ゆみ子
/北九州市議会議員 - 吉田清春
/門司を美しくする会副会長
写真:パネルディスカッションの様子