学会概要
産業遺産学会は、産業考古学を学問の基盤とする学会です。産業考古学は、産業遺産とその関連資料を、フィールド調査を主体とする考古学的手法と、史料調査を中心とする歴史学的手法により、人類が築いてきた過去の生産活動の実態を科学的に解明し、その歴史的意義を探求する学問です。
産業遺産とは、産業の形成と発展に重要な役割を果たしてきた道具や機械、装置、建築物、施設、土木構造物、そしてそれらの図面や写真など、今日に遺されているものを指します。これらは人類の歴史の重要な部分を実証する資料にほかなりません。要約すれば、過去の人間の生産活動の結果として遺された記録資料の総体が産業遺産なのです。
日本の産業と経済の発展に重要な役割を果たしてきた道具や機械、工場設備などの労働手段や技術は、生産力増強のための設備更新、新事業への転換などによっていつの間にか消えてしまっているのが現実です。そこで、多くの貴重な産業遺産が失われていく現状を憂慮した人々が全国から結集し、1977(昭和52)年、日本に産業考古学会が誕生しました。それ以降、多くの産業遺産が重要文化財に指定され、世界遺産に登録されるなど、全国的にも世界的にも産業遺産をめぐる課題はますます重要視されるようになり、産業考古学の潮流は国内外に広く波及しました。その後、国際産業遺産保存委員会(The International Committee for the Conservation of the Industrial Heritage =TICCIH)が組織され、本学会もメンバーの一員として活動しています。
産業考古学会は2020(令和2)年4月、この分野における国際的な研究動向を考慮して、産業遺産学会(Japan Industrial Archaeology Society=JIAS)に改名しました。本学会はあらゆる職業の、また多彩な分野の研究者や同好者が参加する「開かれた学会」です。産業考古学や産業遺産に関心をお持ちの方を歓迎します。どなたでもご入会いただけます。産業遺産学会は産業遺産の調査・研究、保存・利活用(保存科学やヘリテージ・マネジメント)に向けての研究・活動に取り組むほか、産業考古学の研究や産業遺産の保存・利活用に功労のあった方の表彰、価値ある産業遺産を顕彰する推薦制度など、多面的な活動を行っています。
学会名 | 産業遺産学会 Japan Industrial Archaeology Society (JIAS) |
代表者 | 理事長(会長代行) 小西 伸彦 |
事務局 | 〒104-0033 東京都中央区新川2丁目22番4号 株式会社共立 気付 TEL:03-3551-9891 FAX:03-3553-2047 |
創立総会 | 1977年 2月12日 |
改名 | 2020年4月 |
学会概要 | 産業遺産学会は産業遺産に基づいて、それらに携わった人びとや技術文化を実証的に調査・研究する学会です。日本学術会議協力学術研究団体です。 |
会員数 | 250名(2023年10月18日現在) |